「作文大好き」を鑑賞して

    社会人      有田多賀子

「体験したことからしか言葉は出ない」

茂木さんの話がすっとふに落ちた。文章には行間がある。言葉は簡単に並べられるけど、体から発せられるものには、行間にある力が宿るように思う。

 作文教室の子ども達の活き活きした表現は、心の小さな動きまでも伝わってきて、体験の裏付けのある文章の力を感じた。そして、今更ながら神山先生の臨場感あふれる指導にすご味を覚えた。たくさんの問いかけに子ども達が変化していく。普段は閉じている部分が開いていくように、声が大きくなったり、表現力が豊かになったり、みんな自由になっているようだった。

 作文教室がなくなって27年。体験を表現する機会が失われているのは、国にとって大きな損失だ。神山先生の講座が、この先もずっと広がって、子どもも大人も自分の言葉を使えるようになると、いい国になると思う。

 私ももっとがんばろうと心を入れかえた。