グイグイせまる

            保護者       泊 篤志

 神山典士さんの作文教室をのぞいた。神山さんと対面するのは25年ぶりなのを感じさせない。グイグイくる大人がにがてな我が娘はちょっと引いている 

 その作文教室に興味を持ったのは、2年前に娘に作文指導したことがあり、もっとうまく作文を教えられるのではないかと思ったからだ。娘は作文がにがてなので、何とかしてやりたいという思いと、作文好きになってほしいという思いがあって、なかば強引につれて来た。その娘がグイグイくる神山さんにひいている。だいじょうぶかな。

 まずは一時間くらいの映画を見た。各地でやっている作文教室の様子がうつし出される。

演劇のワークショップを体験したあとに、その体験を作文にするというのが面白かった。というのも自分は戯曲ワークショップの指導

をすることもあり、参加者が書いた戯曲を最後に皆で演じたりしているので、逆にやっているという所に興味を持ったのだ。演劇の体験はわりと感覚的だと思っているので、それを文字におこすとどうなるのだろう?と思う。いつか自分のワークショップでも、参加者に作文を書いてもらいたい。その事でだいぶ客観視できるのではないだろうか。そう、文字に、文章におこすという作業は、起こった現象、〇(解読不明)に起こった気持ちといったものを、誰かに伝えんとする中で、自分を客観的にながめる事が出来る作業なんだなあと、そんな事を映画を見ながら考えた。 

作文を書くには3つの箱を用意すると良いらしい。これはギ曲を書くのに似ている。五感を持って書くのもいいな。ギ曲を書く時もそうありたい。

映画がおわると神山さんがグイグイしゃべりはじめた。すごいエネルギーだ。はじめ、ちょっと引いていた娘が、やっとほどけてきていた。