無題

              社会人    岡 茂樹

映画の中で、シェークスピアを演じた女性が、どんな作文を書くか、興味をもって見まもった。彼女は演じることについてこう語っていた。

「以前、もし演芸という職業がなくなったら誰が困るか?と問われて、それは“私自身だ”と気付いた。もし、演じることができなければ私の心は枯れる」

その言葉を聞いて、どれ程、演じることが彼女にとってかけがえのないものなのかということが伝わった。彼女の作文を読むことから、文章を書くということは、その人が何を考え、何を感じ、どんなことを大切にしているかといったことを人に伝えることができる素晴らしい方法なのだと気づかされた。

 映画に出てくる子どもたちの生き生きした表情が忘れられない。子どもはとても沢山のことを感じているし表現したい気持ちを持っている。しかし、それをどう表現するか、もしくは、どう作文にしていくのかのやり方を学ぶ機会がないために「楽しかった」「面白かった」という、ありきたりな表現でしか自分の気持ちを表現できていない気がする。

 今日の教室で学んだことは、子どもたちはもちろん、多くの大人にも知って欲しい内容ばかりだった。こういった内容を意識するだけで、心が感じるままにペンが動いていく感覚を味わうことができるし、書くことが楽しいと感じることができる。